集合住宅(マンションやアパート)や一軒家を借りる時の注意すべき点は?

不動産屋
回答いただく専門家は、不動産に強いファイナンシャルプランナーであり、Well-being.Tokyo株式会社の代表取締役の柿本 志信氏です。

Q.まず集合住宅を借りるときの注意すべき点はなんですか?

集合住宅を借りる際には、当然内見はされるかと思います。その際に、特に確認していただきたい点が2点ございます。

まず1つ目が、入口を入ってすぐの玄関ポスト。そちらにチラシがいっぱい落っこちていないか、もしくはポストがパンパンになっているようなお宅がたくさん有るか無いか。ここは管理人さんがすぐに一番初めに目にする所です。ここが手抜きのような状態ですと、全体的に管理の状態があまり良くないのかなという事が言えるのかと思います。

2つ目が廊下です。当然物件のお部屋に行くまでに歩く事になるかと思います。そうした時にご家庭の私物、自転車であるとか、場合によってはサーフボードなどが置いてあるものは、消防法の関係においても本当は駄目なものとされております。

ご家庭の私物が廊下を塞いでいるようなお宅は、管理もなっていない所もありますし、実際に何かトラブルが発生した際に危険に巻き込まれる事もあるかと思いますので、敬遠されたほうがよろしいかと思います。

Q.続いて一軒家を借りるときの注意すべき点は集合住宅と異なりますか?

特に中古のお宅の場合ですと、以前お住まいになられていた家主さんからそのままお借りする場合が多いかと思います。家主さんの場合ですとご自身の持ち物なので多少不具合があっても気にせずお住まいになっている事がありますが、借りてすぐとなりますと、いろいろな不具合がどうしても気になってまいります。

一度、気になる不具合な箇所に関しましては、家を借りる前に不動産屋さんに確認して直していただけるのか、それともそのまま住み続けるのか確認される事をお勧めいたします。

次に、同じ借りる家としましても集合住宅、アパート、マンションに比べますと、一軒家は不動産屋の巡回管理が比較的手薄になる事がございます。「不動産屋が気付いてから対応すればいいか」といいますと、時間がどうしてもかかってしまう事がありますので、不具合がありましたら問題が発生する前に、もしくは発生してから間もない時期に不動産屋さんにご一報入れて、どのような対処をしていただけるか確認される事をお勧めいたします。

Q.家を借りるときの敷金や礼金で注意すべき点はありますか?

最近は敷金ゼロ、礼金ゼロの「ゼロゼロ物件」はかなり流行っております。地域によって非常に普及している所、まだそれほど普及していない所、いろいろあるかと思いますが、よく広告を見てみると「敷金はゼロ。ですが最初にクリーニング代として○万円徴収します」という風な但し書きがある場合がございます。

その場合は、実際に敷金という名目でお金は発生いたしませんが、実際には何万円かが初期費用として乗っかってくるので、本当にゼロだと思って契約をしていると途中でビックリするという事態がありますので、広告は隅々までご覧になる事をお勧めいたします。

本当にゼロの物件というのは、オーナーさんや不動産業者にしてみるとどうしても利益が上がりにくい状態の物件になってまいりますので、何かあるかなという風にお考えいただくのも一つの危険回避策になるかと思います。

あとは日本も狭い国とは言いながら、不動産の習慣、特に礼金・敷金、もしくは更新料についての習慣は各地でまちまちです。この地域では敷金・礼金・更新料がどのようになっているかについては、不動産のポータルサイトを確認していただければ比較的簡単にわかりますので、遠距離の転勤をされる際などに関しましては、事前にお調べになる事をお勧めいたします。

先ほどの不動産の広告に戻りますが、敷金の項目に償却と書かれている物件がございます。「償却」、なかなか聞き慣れない言葉ですが、こちらに関しましては、ご解約した際に敷金が必要な経費を差し引いて戻ってくるものではなく、全額持って行かれる…と言いますのは語弊がありますが、オーナー様の手元の方に残るものだという風に考えていただいて問題ないかと思います。

理屈としては細かくは違ってまいりますが、実際には敷金が償却と書かれている物件については、礼金に近いものだという風にお考えいただいて良いと思います。

初期費用と言いますが、実際にはお引越しで出られる際の問題にはなりますが、敷金がどのように使われるか。お住まいになっている際に壁を汚した、もしくは床を汚して修繕がどうしても次の入居の方に対して必要になった場合に、敷金から代金が差し引かれます。

その代金を担保するために預けるのが敷金ですが、こちらに関しましては、計算の仕方が東京都は東京ルール条例、東京都以外ですと国土交通省のガイドラインというもので定められております。 「どうしても高いな」と思われた場合には、そちらの東京ルール、もしくはガイドラインを一度確認されて、不明な点に関しましては担当の業者様に確認される事をお勧めいたします。

Q.家を借りるときの賃料で注意すべき点はありますか?

賃貸料に関しましては、当然ながら場所によりけりによって高かったり安かったりするのは当然皆さんご存知かと思います。

ただし同じような間取り、同じような築年数、同じような駅からの距離、その他のものにおいても多少の誤差はございます。日当たりが良かったり、もしくは周りが非常に静かであったり、プラス要素によって賃料が上がっている場合も当然ございますが、あまり意味が無いと言いますか、なかなか理解しがたい理由で賃料が上がっている場合もございます。

相場は最近ですと不動産のポータルサイト、インターネットですぐに検索すれば出て来るようなサイトで、平均相場というものが表示されるものが多くなっております。

それに比べて非常に値段に差がある、値段に違いがあるという場合には、いらない設備が付いていたり、もしくは本当に理由が無く賃料が高くなっている場合などもございますので、そのような物件の場合には実際に内見される際によく注意して室内を確認される事をお勧めいたします。

Q.家を借りるときの築年数で注意すべき点はありますか?

築年数に関して注意する場合には、主に耐震基準です。地震の際に何かと取り上げられる耐震基準でございますが、こちらの改定された年度についてよく注意される事をお勧めいたします。

現在建っている建物の中で主に確認をすべき日付といたしましては、1971年の6月17日、1981年の6月1日と、木造のみになりますが2000年の6月1日。この3つの日付でございます。

年がどんどん新しくなるごとに基準が厳しくなってまいりまして、1981年の基準の建物に関しましては、85年にありました阪神・淡路大震災でも壊滅的に被害がおきた建物というのはゼロではありませんが、その前の基準に比べると比較的少なかったという実例が出ております。

1981年6月1日以降の建物に関しましても、注意点がございます。1981年6月1日より新しく建っている建物だったら全部安心かといえばそういう訳ではなく、この日以降にお役所に対して建築の確認申請というものを提出をした物件が耐震基準の対象になりますので、同じ1981年でも例えば1月に申請がおりた物件に関しましては、ひとつ前の71年の基準が適用されております。

6月1日より前か後かを確認するのは非常に難しい作業になってまいりますので、もしご不安な方に関しましては現在挙げた1971年、81年、木造の場合には2000年。この日付にプラス2年をされて物件を選ばれておけば、ほぼ新しい基準の方が適用されていると思って間違いないかと思います。

Q.家を借りるときの住むエリアで注意すべき点はありますか?

最寄り駅、住む場所となりますが、まず最寄り駅については主に通勤・通学の事になってくるかと思います。最寄り駅が仮に都心のターミナル駅に近かったといたしましても、電車の本数や終電が頻繁にある、もしくは終電が遅くまであるとは決して限りません。

時刻表を見ていただければ一目瞭然かとは思いますが、ご自身のライフスタイルに合った時間帯に電車の本数がそれなりにあるか。もしくはお帰りが遅いお仕事をされている方の場合ですと、勤務先からご自宅まで終電が十分本数が確保されているか確認される事をお勧めいたします。

住む場所については周辺環境のお話になるかと思います。コンビニやスーパーなどの物販店や診療所、お子様がいらっしゃる場合には小学校、中学校等について、どれだけ家の近くにあるかというのは皆様気にされるかと思います。

それにプラスいたしまして、お勤めの方でしたら駅から自宅までの間にコンビニやスーパーがあるかどうか、あとは診療所などが比較的その動線の近くにあるかどうか。もしくは少し離れていても移動手段が十分確保されている場所であるかという事を確認される事をお勧めいたします。

仮にお勤め帰りにスーパーに寄ろうと思いましても、家と正反対の場所にある場合ですと結構歩く事になってしまったり、すると日々疲労が蓄積するなどという事もありえない事ではないのでご注意ください。

Q.家を借りるときの不動産屋で注意すべき点はありますか?

注意すべき点といたしましてはいろいろありますけれども、最近は「仲介手数料無料」と謳っている不動産屋さんは結構目にするかと思います。

たしかに仲介手数料不要となりますと家賃のほぼ1ヶ月分が無料になりますので、誰にとっても非常に助かる所であるかとは思います。ただ仲介手数料不要と申しましても、日本全国どこの物件でも仲介手数料が無料という不動産屋さんはほぼ無いのではないのかなと思います。

中には大家さんの方から仲介手数料をいただく場合とか、元々公営住宅など仲介手数料が発生しない物件、これらをお勧めする場合などはシステムとして正当な事由で仲介手数料は借主さんから徴収しないという方法でありますが、中には多数の物件の中のいくつかの物件を仲介手数料無料という事を大々的に宣伝して、さも全部が仲介手数料無料のように宣伝している業者さんもいらっしゃいますので、注意してください。

Q.家を借りるときの契約内容で注意すべき点はありますか?

家を借りる際の契約内容、重要事項説明書、賃貸者契約書、非常に文章が長くて読んでいるとなかなか退屈になってまいりますけれども、いくつか注意すべき点はございます。

例えば1年以内の解約の場合には違約金として1ヶ月分徴収する、場合によっては2年間という物件もございます。あとはタワーマンションにありがちですが、解約の通告、「もう家を出るよ」という通告が1ヶ月以上先の物件です。

あとは建物の傷み。当然住んでいれば建物自体が古くなってまいりますので傷む箇所も当然増えてまいります。そのような建物自体の傷みに関しても、借主に負担させるなどという特約が付いている契約書も稀にございます。

中には借主様も合意すればOKという内容もございますが、借主様自体が合意されていない場合、あとはあまりにも不当な条項に関しましては一度不動産屋さんと協議をされて、その条項はなるべく削っていただくようにしましょう。どうしても削っていただけない場合には、場合には物件をまた新たに探されるという事をされた方が良い場合もございますので、慎重な判断をお願いいたします。

他に実際に敷金・礼金などの初期費用と言われる費用の他に、消臭・除菌や見守りサービスその他諸々、多種多様で挙げたらキリがないほどありますけれども「オプションサービスをつけますか?」という話がおそらく出て来るかなと思います。

中には相談なく自然と請求書の方に盛り込まれていて、なかなかキャンセルが出来ないような形で、半ば押し売りのような形でオプションが付いている場合もございますが、いらないものに関してはそこではキッパリとお断りする事をお勧めいたします。

サービス1個当たりにつきましては、1年間で1万円とか、場合によっては2万円程度ですが、長くお住まいになってまいりますと、塵も積もればという事で結構な金額を徴収されてしまう場合もございますので、いらないなと思った場合にはキャンセルするか、もしくは更新1回分は試しにやってみれば、本当にいらなかったという場合には更新の際にキャンセルを申し出る事も通常でしたら可能なはずなので、そちらは契約を再度お読みになるなどして対処される事をお勧めいたします。

他に家の契約の場合には賃貸借の契約の他、家賃保証の契約、あとは火災保険の契約なども同時に執り行います。こちらの家賃保証や火災保険に様々なオプション、ある意味特典が付いている場合がございます。せっかくある特典を使わないのは勿体無い事になりますので、これは契約の際、もしくはご自宅に帰られてからパンフレットは同時に付いてきているかと思いますので、どのようなオプションが付いているのかなというものを確認されて、必要な際には必要なオプションを利用されるようにされた方が良いかと思います。

保険に関しましては、任意で入られている保険と内容が被っていたりする事がありますので、そうなるとまさに勿体無い事になってしまう事もありますので、なかなかお得な場合もありますので、しっかりご確認をされる事をお勧めいたします。

Q.家を借りるときの内見で注意すべき点はありますか?

内見をする際に当然不動産屋さんに訪問して、もしくは電話をして「○○物件、もしくは○○マンションを見たいのですが段取りを組んでもらえませんか」とお願いをするかと思いますが、特に調べたり、間をあけずに間髪入れず「この物件ついさっき決まっちゃったばっかりなんですよ」などと言って他の物件をお勧めしてくる業者さんが稀…と言いたいんですが実はそこそこの数いらっしゃいます。これがたまに新聞を賑わせる「おとり物件」の可能性が、およそ半分くらいかと思いますがあります。

何度魅力的な物件を訪ねても、「この物件さっき決まっちゃったばっかりなんですよ。他者さんで決まっちゃったばっかりなんですよ」という話ばかりで違う物件ばかりお勧めするような業者さんに関しましては敬遠されたほうが良いかなと思います。あまり良い結果にならない事が多いと思います。

他に関しましては、内見された際にその場で即断即決せずに、あまり自分の知らないエリアであった場合には夜うるさかったり、建物自体に結構夜中騒がしい方がいらっしゃる事もありますので、出来れば時間帯を変えてもう一度見に行く事をお勧めいたします。

Q.賃貸を探している人に何かメッセージはありますか?

メッセージといたしましては各種ございますが、家を探すとなりますとどうしても家そのものを探す事に目が向きがちですが、結局はその家が建っている町の中で暮らすという目線を忘れないでいただきたいと思います。

先ほど物件の近くにスーパーがあるかどうかなどについて少しお話をさせていただきましたが、町の中でどのように自分が生活しているか、生き生きとイメージが出来る町の中に建っている建物を探される事が一番ベストです。

多少は妥協しなきゃいけない点もあるかと思いますが、なるべくそのように、どの町に建っているマンションや一軒家なのかという考え方で探される事が一番良いのかなと思いますので、その方法をお勧めいたします。

Q.最後にユーザーに向けて自己PRがあればお願いします。

私自身は今不動産の話をしておりますが、実際には不動産の貸し借りや売買だけで生計を立てているわけではありません。実際には借主の方もしくは 売主・買主の方のアドバイザーとして、双方の話を受けるというより、どちらかというと一方の方のサイドに立って交渉事に当たる事が私のメインの仕事となっております。

あと他には、報酬自体が不動産の仲介手数料だけで成り立っているわけではありませんので、特にノルマはございません。 そのこともあり例えば、なかなか物件が決まりにくい、ハンディキャップを抱えられた方などに対しましては数ヶ月単位でお付き合いをさせていただき物件を決める事も可能でございます。

専門家のプロフィール
専門家の記事一覧
「池袋に事務所を構える不動産専門独立系ファイナンシャルプランナーです。」
職種 宅地建物取引士・管理業務主任者・ファイナンシャルプランナー
社名 Well-being.Tokyo株式会社
役職 代表取締役
名前 柿本 志信
サイト https://www.ikebukuro-realestatefp.com/