離婚して両親で子育て・育児をする共同養育とは?

共同養育
回答いただく専門家は、共同養育コンサルタントであり、一般社団法人りむすびの代表のしばはし 聡子氏です。

離婚してからも両親が協力して子供を育てる共同養育について専門家が回答

40代 パート 女性からの質問
「3年前に離婚をして、現在パートをしております。小学生の子供がおりまして、私が引き取って育てているのですが、離婚をしてからも両親で子育てをする共同養育という存在を知りました。具体的にどのような事なのでしょうか?」

数年前に離婚をされて、お一人でお子さんを育てられているのですね。この方が現在お父さんとお子さんが会われているのかというのがちょっとわからないんですけれども、この「共同養育」という言葉をどこかで知っていただくきっかけがあったのですね。そしてこういったご質問をいただいております。

まずこの「共同養育」という言葉。皆さん聞かれた事はありますか?無いですよね。これはどういった事かといいますと定義としては「離婚をした後も、両親が子育てに関わる」という事だけなんです。

なんかイメージとして「え?それって私も夫と会い続けなければいけないの?」ですとか「夫と何回会わせればいいの?」などいろんな疑問が湧いて来るような気がするんですよね。そこで、具体的に共同養育ってどんな事なんだろうという事をお話していきたいと思っています。

先ほどお伝えした定義で言うと「両親が子育てに関わる」という事だけなんですけれども、もちろん離れて暮らす親と会える機会がある事は凄く大事な事になると思います。会う機会があれば、両親からの愛情をたくさん受ける事が出来ますし、いろんな経験をする事も出来ます。

例えば男親ですと、海で遊びに行ったり、虫を採りに行ったりですとか、なかなか女親が出来ない事というのも、お父さんならではで出来るかもしれないですし、得意・不得意分野を分業する事ができます。勉強も得意分野があるでしょうし、そういった事で父親と母親それぞれで違う体験をさせる事が出来ます。

こうしたメリットもたくさんありますので、会う頻度は多い方がもちろん良いんですけれども、例えばイメージをしていただくと、たくさん会っているんだけど、お母さんが子供を連れて行きます。お父さんにお子さんを引き渡します。その時にお父さんとお母さんが嫌そうな顔をして「フンッ」とかしながら、子供がお父さんの所に行ったら子供はどんな気持ちになるでしょう?

パパの顔色を見て、ママの顔色を見て、ママと離れる時はちょっと嫌そうな顔をして、ママが見えなくなったらパパと楽しそうに遊ぶけれども、またママの所に戻る時に「なんか面白くなかった」みたいな顔をして戻ったり、ママの所に行ったらパパの話をしないとか。いくら会う頻度が多くてもそんな環境を作ってしまうようでは、これは共同養育と言えるのかというとやや疑問があります。

そこで大事なのはこういう事かなと思います。共同養育というのは子供が両親の顔色を見ずに、自由に行き来が出来て、自由に発言が出来る事です。

「今日パパとこんな所に行ったんだよ!」または「ママはいつも家でこんなお料理を作ってくれるんだよ!」。そういった事をそれぞれで自由に発言が出来る、タブーの無い状態です。

そして小さいお子さんですと自分で行き来が出来ないのであれば、行き来が出来るような環境を両親が協力して整えてあげる事です。その事にお互いがコミットしている事ですよね。これこそが共同養育のベースになると考えています。

これを聞いていると「え、離婚した相手と協力しなきゃいけないの?」と思うと思うんですが、これは何も話さなくても良いし会う必要も無いと思います。まぁショートメールでもLINEでも良いのですが、最低限のツールがあったうえでやりとりが出来る。そしてもっと言うと、例えば離れて暮らす親側は何も出来ずに待っていることしかできない場合も多いんですよね。

ですので、一緒に暮らす親側が学校の行事を伝えてあげるとか、日頃の写真をたまに送ってあげるだとか情報提供をする。そしてそれに対して離れて暮らす親は「ありがとう」と言う。そういった所から始めていけば良いのかなと思いますし、風通しのいい環境を親同士が作る事こそ、子供にとっての共同養育として大事な事になると思います。

考え方はそういった事になるのですが、共同養育には先ほども言ったようなメリットがたくさんあります。子供にとっては先ほど申し上げたような、両親から愛情を受けられる。いろんな経験が出来るという事ももちろんありますが、親にとってもメリットが実はたくさんあります。

一緒に暮らしている親というのは、ワンオペ育児で本当に日々忙しいと思うんですよね。そんな中離れて暮らす親の所に、子供が例えば宿泊とかで行っていてもらえば、自分自身自由な時間が出来ますし、この方はパートとおっしゃっていましたが、もしかしたら仕事で社会的な活躍を、進出したりですとか、会社員になったり自分で仕事をするような機会を勉強したりする時間を作る事が出来るかもしれません。

そして、せっかく離婚をしても、会わせていないと元夫から「会わせろ!会わせろ!」と言われてしまうとそれもまた疲弊してしまいますから、きちんと乗り越えて会わせる事をしていく事で、元夫へのストレスが無くなるという事も凄くメリットになると思います。

当然子供と父親が会っている間に、養育費以外で例えば美味しいものを食べさせてもらうですとか、ちょっとプレゼントを貰ったりする機会も増えます。そういった意味でも、経済的なメリットもあると言えます。

お父さん側も「何か子供にしてあげたい」というモチベーションが上がってくるかもしれないですし、日頃の習い事の送迎ですとか、日々のルーティンワークを夫側にやってもらうというのも良いでしょうし、私も実は離婚しているんですが、学校の保護者会にも行ってもらっちゃったりするようになるとだいぶ楽なんですよね。

まぁそこまでいくにはちょっと時間がかかるかもしれないけれども、共同養育というのはなにも、夫が子供を楽しませるイベント的なものだけをお願いするのではなく、育児の中で大変な事、そういった役割も分担してもらえば良いと思っています。

そして自分自身がもし明日交通事故に遭ってしまったとします。そうすると愛する子供は路頭に迷ってしまいますよね。そんな中父親と子供がきちんとやりとりできる環境であれば、自分自身にもしもの事があっても子供はちゃんと育ててくれる人が確保できている。これは子供にとっても凄く大事な事ですし、リスクヘッジにもなります。そういった意味で親にとってのメリットもたくさんあります。

そして社会的な課題という意味では、今シングルマザーやそのパートナーによる虐待って結構ニュースが結構多くないですか?そこも実の親がきちんと関わっている事によって、児童虐待の防止も出来ると思いますし、一人親で育てているとどうしても孤食が増えてしまいますよね。子供食堂は増えていますが、やはり子供が親と一緒にご飯を食べる機会がある事は子供にとっても大事な事になってくるかと思います。

一人親家庭の貧困というのも、今50%以上になっていると言われています。その貧困も、両親で子育てに関わる事で貧困に連鎖を防ぐことも出来るかもしれません。そういった意味で共同養育はたくさんのメリットがありますので、気付くきっかけや、やってみようかなと思うきっかけになっていただければありがたいと思っています。

一般社団法人りむすびでは、「共同養育のすすめ」のリーフレットも作っておりますので、よろしければご案内させていただきますのでサイトからご連絡をいただければと思います。