ファイナンシャルプランナーが解説!資産運用のリスクと初心者にもオススメの方法をご紹介

資産運用の基本
回答いただく専門家は、ファイナンシャルプランナーの前田 にいな氏です。

資産運用とは?今資産運用が必要とされている理由を解説

資産運用とは自分が保有しているお金や不動産などの資産を、運用して増やして行くことをいいます。お金を銀行に預けておくことも、株に投資することも資産運用の一つです。

一昔前までは銀行の預金金利が高く、銀行にお金を預けておくだけで利息によりお金が増えていました。しかし現代は超低金利時代に突入し、預貯金に預けておくだけではお金を増やすことはできず、預貯金以外の方法で将来の資産の形成を考えていかなければいけません。

さらに人生100年時代の今、退職後のセカンドライフで生活資金を必要とする期間が長くなります。ですが厚生労働省の発表しているデータによると平成29年度の平均支給額は国民年金は1人当たり55,615円、厚生年金は147,051円で大半の人が年金だけでは生活資金を賄うことは困難で預金を切り崩して生活しているのが現状です。

長いセカンドライフを豊かにするためにも、資産運用をして資産を増やしておく必要があります。

資産運用を始めるために知っておきたいリスク

いざ資産運用を始めようと思っても「失敗したときに資産が減ってしまうリスクがあって怖い」となかなか踏み出せない人も多いようです。

リスクとは失敗や危険というイメージがありますが、資産運用でいう「リスク」とは運用によって得られる収益である「リターン」の振れ幅のことをいいます。

資産運用の4つのリスク

資産運用には大きく分けると「価格変動リスク」「為替リスク」「信用リスク」「カントリーリスク」があります。運用方法によって生じるリスクは違いますが、商品を選択するときに考えられるリスクを理解しておく必要があります。

価格変動リスク
価格が変動する資産運用では、受け取る金額が支払った金額を下回り元本割れをする可能性があります。

為替リスク
外国の通貨で取引される商品は、円と外貨の為替相場の値動きに合わせて運用している資産の価格が変動する可能性があります。

信用リスク
資産を預けている会社が破綻した場合、元本や利息が支払われるか確実ではありません。銀行の預貯金であっても銀行が破綻した場合は1,000万円を超えるお金が戻ってくる保証はありません。

カントリーリスク
投資対象国や地域の経済・政治状況によって資産の価値が変動する恐れがあります。特に国債に投資している場合、発行元の国の経済・政治状況は重要です。

リスクを減らす方法とは?

リスクを減らすことでリターンは少なくなりますがその分損失も抑えることができます。資産運用の経験が浅い初心者の人にはリスクを減らした方法で安定した運用がおすすめです。リスクを減らすためには「資産の分散」「長期保有」「時間の分散」が特に重要と考えられます。

下記では1つずつ解説します。

資産の分散
資産の分散とは保有しているお金を預貯金、株式、投資信託、不動産、保険、債権など異なる資産に分散するということです。また国内や海外株式など値動きが異なる運用を複数することでリスクが分散され、一つの商品が値下がりしても他の商品でリカバリーすることができます。

長期保有
投資期間を10年、20年など長い目で見て購入することで、価格が一時的に下がっても長期間保有していれば価格が上がることも期待できます。そのためには早くから資産運用を始めるこが大事です。投資方法によって保有期間中は分配金や配当金が貰うことができるので、そのお金を再投資することで投資額が増え、更なる利益を生む効果があります。

時間の分散
株や投資信託は「価格が低いときに購入して高くなったら売却する」ことが理想ですが先の価格変動は誰しも予想が付きません。そのため、一度に購入するのではなく時間をかけて、複数回に分けて購入することで元本割れのリスクを減らし購入単価を平均化することができます。

初心者におすすめの資産運用を紹介

国の制度を利用することで節税しながら少額からの資産運用を始めることができます。ここでは目的別におすすめの資産運用を3つ紹介します。

今あるお金を増やしたい人にはNISAがおすすめ

NISAは政府が預金から投資へとスローガンを掲げ、国民が投資を始めやすいように2014年にスタートした制度です。日本在住の満20歳以上であれば誰でも始めることができます。

2023年までの10年間、毎年120万円まで投資に対して、投資で得られた配当金や分配金、売却益が最長5年非課税になります。例えば100万円で購入した株式が2年後200万円に値上がりし売却した場合、通常利益分の100万円に対して約20%の税金が引かれ受け取りは180万円になります。ですがNISAの制度を利用することで200万円そのまま受け取ることができるのです。

NISAのメリット、デメリットは次のようになります。

NISAのメリット
・投資対象の種類が幅広く、上場株式、株式投資信託、不動産投資信託などに投資ができる

・年間120万円以内であれば複数の資産に投資ができるので分散投資によるリスクの軽減につながる

・自分の好きなタイミングで購入、売却が可能

NISAのデメリット
・5年後の非課税期間終了までに売却、あるいは翌年の非課税枠に移動、課税口座に移管しなければいけない

・損益通算ができないのでNISA口座で損失が発生し、他の口座で利益が出ていても課税対象になる

将来に向けた資産運用にはつみたてNISAがおすすめ

つみたてNISAとは若年層がより投資を始めやすいようにと2018年1月からスタートした制度です。NISAと同じく日本在住の満20歳以上であれば誰でも始めることができます。

年間の投資限度額は40万円までとNISAと比較すると低くなりますが期間が20年と長く、中長期の資産形成に適しています。

指定した銘柄に定期的に一定額投資して積み立てていきます。積み立てる頻度は一般的には毎月ですが証券会社によっては、毎日や隔週などの選択が可能で積立頻度を増やすことにより時間の分散によるリスクの軽減ができます。

つみたてNISAに登録されている銘柄はすべて金融庁の定める基準をクリアした投資信託163銘柄(2019年5月7日時点)です。日本には6000以上の投資信託の銘柄があり、リスクが高い銘柄や、長期投資に向かない銘柄は除かれているので初心者でも商品が選択しやすくなっています。

つみたてNISAのメリット、デメリットは次のようになります。

つみたてNISAのメリット
・最初に銘柄を選択して申込をすれば自動で積立投資が行われるので手間がかからない

・積み立てる日や曜日が決まっているので購入するタイミングを考える必要がない

・積立てたお金はいつでも売却して引き出しが可能。解約ではないのでそのまま続けることができる

つみたてNISAのデメリット
・大きな額を運用したい場合には適していない

・非課税枠の翌年の繰り越しはできない

なおつみたてNISAとNISAは両方を併用することはできません。年ごとに変更することが可能です。

老後の貯蓄にはiDeCoがおすすめ

個人型確定拠出年金「iDeCo」は公的年金では足りない老後の資金を自分で作るための制度です。国民健康保険に加入している満20歳以上60歳未満が対象になります。

毎月限度額内で自分で決めた金額を定期預金や投資信託、保険などに積立てて運用します。限度額は年金の加入区分によって異なりますが、月々5000円から始めることができます。限度額内であれば複数の商品を選択することができるので資産の分散によるリスク軽減が可能です。iDeCoで資産運用してきたお金は原則60歳まで受け取ることができません。

iDeCoの最大のメリットは以下の3段階で税制優遇を受けられることです。

1.拠出
iDeCoの毎月の掛金が全額所得控除になり、所得税や住民税が軽減される

2.運用
通常資産運用で得られた利益には約20%の税金が引かれるが、iDeCoの運用では非課税になる

3.受取
iDeCoで積み立てた資産は年金として分割して受けとる場合には「公的年金控除」、一括で一時金として受け取る場合には「退職所得控除」が受けられる

税制優遇以外にも、商品が限られているので初心者でも選びやすいことや、運用コストが安いことがあげられます。 iDeCoのデメリットとしては原則60歳まで引き出せないので急な出費などに対応できません。

まとめ

資産運用の基本的な知識と、初心者でも始めやすい資産運用について解説しました。長い人生のライフステージで様々なお金が必要になります。豊かな人生を送るためにも、自分だけでなくお金にも働いてもらって資産を増やしていくことが重要になります。

資産運用の必要性を感じた人は、まずは勉強のためにも少額から資産運用を始めていくとよいでしょう。