がん罹患者との適切なコミュニケーションのとり方は?

回答いただく専門家は、一般社団法人がんチャレンジャーの代表理事の花木 裕介氏です。

がん罹患者との適切なコミュニケーションのとり方について専門家が回答

30代 会社員 男性からの質問
「仲の良い友人ががんと診断されてしまいました。まだ本人も若いため、今度直接会って接する時にどのようにコミュニケーションをとれば良いのかわからないので教えて下さい。」

こんにちは。私はがん罹患者に関わる方専門の産業カウンセラーとして活動している花木裕介と申します。私自身もがんに罹った事がある「がんサバイバー」として今も経過観察中ですけれども、一旦は快復し、こうした形で活動しています。

私自身産業カウンセラーとしてカウンセリング等をやりながら、実際に自分もがんサバイバーだったので、「実際に自分がどういう風に接して貰ったら嬉しかったかな?」であるとか「どういう風に接してもらった時にちょっと心が痛かったかな?」という事を振り返りながらこの質問にお答えしたいと思います。

まず一つ大事な事としては、やっぱり個人差はあると思います。同じ事を言われても、それで嬉しいなと思う人と、あまりそう感じない方もいらっしゃると思います。逆に、全く同じ事を言われているのにそれが苦しいなと思う方もいらっしゃると思うので、出来るだけ最大公約数というか、例えば「ありがとう」「嬉しい」「感謝しています」なんて言われて「言ってくれなきゃ良かったのに…」と思う方は少ないと思うので、そういった最大公約数的なアドバイスが出来ればなぁと思っています。

まずお伝えしたい事としては、そういった罹患してしまった方とお会いした時にいきなりアドバイスや励ますというのはちょっと止めておいた方が良いかなと思います。私自身もそういったケースがあるんですけれども、例えばいきなり「これ飲んだ方が良いよ!」と健康食品を持ってきて、自分がそれをあまり好まない物だったりとか、あとは「絶対にこの治療法やってみようよ!」と自分の意に反するような事を言われてしまったり…。

そうなった時に嬉しい反面、「ちょっと自分の気持ちや治療方針にはそぐわないよな、だけど友達の気持ちはやっぱり嬉しいから無下に断れないし…」という事で結構苦しくなった記憶があります。

ですからいきなりアドバイスとか「頑張れよ!」「絶対大丈夫だから!」「俺がついてるぞ!」みたいな、強い気持ちを全面に受けると、ちょっともしかしたら気持ちが弱っている方にしてみたら負担になるかなという事があるので、そういったアドバイスや励ましをいきなりするのはちょっと控えた方が良いかなと思います。
じゃあ何を初めにしたらいいかという事なんですが、まずは相手の気持ちに寄り添う事、相手の気持ちを、どういう状況かという事を聞かせてもらうという所から入るのが良いんじゃないかなと思います。

やはりがんに罹患した、宣告を受けた方は少なからずショックを受けていて、不安もあるでしょうし悩みもある。それが例えばキャリアの事だったり家族の事だったりお金の事だったり…そういった様々な悩みが出てきている中で、そういった話を出来る相手は限られていると思うんです。その中であなたとお会いするという事は、それだけあなたの事を信頼しているという事だと思いますので、まずはその方のお話をじっくりと「もし差支えなければ聞かせてくれないか」と言う事で困る方はいないのかなと思います。

その際注意すると良いのかなという所は、やはり相手の話した事を否定しない事です。「いや、そんな悩みは不要だよ」とか「もっとこういう風にしたら良いよ」などと否定したり自分の意見を言うよりは「そんなに辛いんだな」であるとか「俺だったらそれは耐えられないかもな。お前の気持ちよく解るよ」という風に言ってもらえると、仲間が一人増えたなという安心感に繋がってくるので、そういうコミュニケーションがどんな方に対しても有効なんじゃないかなと、私も自分の経験から、また産業カウンセラーとして感じる所ですね。

ただ、そうした中でそれでもやっぱりその方が「こういう情報って調べられないか?」とか「お前こういう人知らない?」だったりとか、何か求められた時にはアドバイスであったりそういった情報提供、「こんな本読みたいんだけど何かあったら紹介して!持ってきてよ」なんていうリクエストがあれば、それには十分応えてあげると良いのではないかなと思います。相手から求められた事に対して応えてあげる。

あとは、その先も「何かあったらいつでも俺に声を掛けてくれよ」というような声掛けをしてもらえると、友達は「長く苦しい治療期間に並走して協力してくれる心強いパートナーがまた一人出来たなぁ」と凄く喜んでくれて、苦しい治療にも耐えられる気持ちが得られるんじゃないかなという風に思っています。

そうはいっても、自分がなった事が無い方だったら難しいコミュニケーションかもしれないんですけれども、「もし自分ががんになったとしたらどういう気持ちになるだろう」と想像しながら相手の方と関わってみると良いのではないかなと思います。私からの回答は以上になります。

Q.最後にユーザーに向けて自己PRがあればお願いします。

がん罹患者に関わる方専門の産業カウンセラーとして活動している花木裕介です。これからがん罹患者に関わる方はもちろんですが、ご自身ががんにかかってしまった方、周りの方とどういう風にコミュニケーションをしたらいいのかわからないなど、その他お悩みを抱えている方は、私自身もがんサバイバーという経験がありますので、ぜひお気軽にお問合せ・ご相談をいただければと思います。皆さんのお声掛けをお待ちしています。よろしくお願いします。

専門家のプロフィール
専門家の記事一覧
「​自身のがん罹患経験を、一人でも多くの方にお役立ていただければと思っています。」
職種 健康
社名 一般社団法人がんチャレンジャー
役職 代表理事
名前 花木 裕介
サイト https://www.gan-challenger.org/