スクールカウンセラーとは~怒りをコントールする方法

スクールカウンセラーとは
回答いただく専門家は、元スクールカウンセラー、児童養護施設のカウンセラーの藤井 ひなた氏です。

スクールカウンセラーとは、そもそもどんな仕事をしているのか?

児童生徒・保護者・教職員をサポートする業務

スクールカウンセラーに対して、一般の方々の多くは、児童生徒に対するカウンセリングを行っている、と思っていらっしゃいます。しかし、実際には、スクールカウンセラーの仕事は多岐に渡っています。

具体的には、問題を抱えた児童生徒の保護者にカウンセリングを行ったり、どのように問題のある児童生徒を支えていくかという問題に対して、教職員のサポートも行います。

問題解決をサポートする業務

これも、スクールカウンセラーにとって重要な仕事の一つです。例えば、学校を休みがちな生徒が、どうすれば学校に来ることができるのか。という問題が起こったとします。

まず、なぜその生徒が学校を休みがちなのかを知る必要があります。本人に直接その理由を聞いても、よっぽど信頼関係が構築されていない限りは、教えてくれません。クラスメートや保護者から、その生徒の情報を集め、休みがちな理由をスクールカウンセラーが推測します。

そして、本人に対して「○○という理由から、学校に行きづらいのかい?」と休みがちな理由を確かめます。そして、理由が分かったら、生徒と一緒になって「どうしたら学校に行きやすくなるか」という対策を講じます。

問題が大きくなるのを未然に防ぐための業務

上記の例で挙げた学校を休みがちな生徒が、対策を講じたにもかかわらず、欠席が増えているとします。そうすると、不登校にならないためには、どうすればいいのか。という対策をスクールカウンセラーは考えます。

家庭内不和など、学校だけでは処理しきれない問題の可能性もあります。そのような場合は、児童相談所との連携を取りながら、その生徒に対して対応をしていきます。

一方、発達障害など、なんらかの疾患が考えられる場合には、小児科や小児精神科の受診を保護者に勧めて、病院とスクールカウンセラーが連携を取りながら、児童生徒に対応することもあります。

児童・生徒や保護者に対するカウンセリング

不登校・いじめ問題・友人関係

昨今、いじめは、SNSなどのインターネットを悪用して、陰湿化してきています。スマートフォンの中でいじめが展開されているため、教師や保護者は気が付かないというケースも多くあります。

他にも、いじめや友人関係の悩みから不登校になる児童生徒は増えています。事態が重大化する前に、スクールカウンセラーは問題を抱える生徒やその友人にカウンセリングをします。まずは事実関係の確認をし、今後、どうしていくことが良いのか対策を立てます。

家庭環境・虐待

家庭環境が児童生徒の心に大きな影響を与えることは言うまでもありません。家庭内不和はもちろん、虐待となると、スクールカウンセラーだけでは対応しきれません。そのような場合は、児童相談所と連携を取りながら、児童生徒に対応する策を講じます。

心身の健康・保健

最近は、授業中じっと席に座っていることができず、立って教室中を周り歩く生徒もいます。このような児童生徒は、発達障害など、何らかの疾患が考えられますので、医療機関と連携を取りながら、対応していく必要があります。

教員に対するカウンセリング

教職員との関係を良好にするのはスクールカウンセラーの必須条件

実際、スクールカウンセラーの経験があると分かるのですが、教師には児童生徒のために必死に頑張るタイプと、最低限やることしかやらない(言い換えると、生徒に対して熱心でない)タイプの2パターンの教師がいます。

最低限やることしかやらない教師は、たとえ、自分の担任の生徒の件であろうと、面倒なことには関わりたくないという態度を示す教師が多いです。
自分のクラスの生徒が不登校になったとしても、週に1度、自宅に電話をして生徒の近況を聞く程度。それも、電話での近況確認が、不登校の生徒に対して、担任の教員が行う学校のルールだからです。生徒が学校に来るために、自ら積極的に行動を起こそうとはしません。

逆に、児童生徒のために、熱心に頑張るタイプの先生のなかには、自分の休日を削ってまで、児童生徒のために休日出勤をしてクラスのために仕事をしたり、家で仕事をしている先生もいます。そのような先生は、頑張りすぎてしまって、自らの体調を崩す先生もいらっしゃいます。

職員の相談に乗るのもスクールカウンセラーの仕事

上記で述べた、熱心な先生のなかには、クラスがまとまらないと悩んだり、うつになって休職したり、退職する教職員が増えていると言われています。そのような教師の悩みに乗るのもスクールカウンセラーの重要な仕事です。時に、教職員をカウンセリングの対象者として、まずは教職員の心の健康を支えることが重要になる場合があります。

スクールカウンセラーは生徒の学業・進路について教員と相談する

最近成績が落ちている・授業に集中していない。なにか悩みがあるのではないか。と教員が心配している生徒に対して、スクールカウンセラーは教員と一緒になって、その原因を考えたり、対策を立てます。

スクールカウンセラーを目指す人へ

スクールカウンセラーのやりがい、楽しさ

スクールカウンセラーのやりがいは、なんといっても、児童生徒の問題の解決に力添えができたときでしょう。問題解決を行うのは、あくまでも児童生徒本人もしくは保護者なのですが、その一つの力になれた時は、「スクールカウンセラーをやっていて、良かった」と感じる瞬間です。

スクールカウンセラーのつらいこと、大変なこと

児童生徒は、スクールカウンセラーがどういう人間なのか、冷静に見抜こうとしてきます。スクールカウンセラーがとっさに対応できない姿や、ちょっとでも、たじろいだ姿を見せてしまったら、その生徒は、スクールカウンセラーのことを一切信頼しなくなります。

「このスクールカウンセラーは、自分の力にはならない」と、心の中で決めつけてしまいます。こちらがいくら挽回しようと、積極的に関わっていっても、「知らぬ存ぜぬ」で相手にもしてくれません。

このような事例は決して珍しいものではありません。子どもは大人をとてもシビアな目で見ています。そのような子どもの特性のために、一度児童生徒の信頼を失うと、取り戻すのはとても大変です。

スクールカウンセラーに向いている人・適性

根気強く同じことを何度も繰り返しできる人・性分が合わない人とも上手くやっていく協調性のある人であることが、必須条件でしょう。児童生徒の問題は、1度で解決することは、まずありません。何か月も、時には何年も、粘り強く、こちらから働きかけていく必要があります。そのような根気強さが必要と言えます。

教育現場は狭い社会です。そのため学校という「社会」は、一般的な「社会」というものの常識と、多少ズレているところがあるのも現実です。そのため、そこで生きてきた教職員の中には、一般的な社会常識があまり通用しないケースがあることも、まれにあります。

また、保護者の中にも、一般的な社会常識が通用しない人々がまれにいることも確かです。児童生徒のためには、そのような人たちと協調しながら対応に当たらなければなりません。そのためには、協調性が高くなければ、スクールカウンセラーは勤まらないでしょう。

スクールカウンセラーは、守秘義務があることも影響するため、ほかの職員に相談できず、孤独で責任感が重いと感じることが多い仕事です。
しかし、やりがいはとてもあります。たとえ問題解決していなくても、児童生徒が笑顔を見せてくれた時は、とても嬉しいものです。

スクールカウンセラーのまとめ

児童生徒だけではなく、保護者の方々もスクールカウンセラーを利用して、少しでも児童生徒のことで悩んでいることがあったら、気軽に相談してみることをお勧めします。スクールカウンセラーは守秘義務があるので、話を漏らすことはしません。

ですから、一人で抱えて悩まずに、誰かに話すことで気持ちが軽くなることもあります。そこで、身近にいるスクールカウンセラーにお話ししてみてもいいのではないでしょうか?