アンガーマネジメントとは~怒りをコントールする方法

アンガーマネジメントとは
回答いただく専門家は、元スクールカウンセラー、児童養護施設のカウンセラーの藤井 ひなた氏です。

アンガーマネジメントとは、怒りと上手に付き合う方法

あなたの周りにも怒りっぽい人はいませんか?
怒りっぽい人は、関わると面倒くさいと思われてしまいます。
自分は怒りっぽいと自覚している人は、いつも気が付けばひとりぼっち。
寂しさを感じてしまいます。怒ることで自分自身も疲れてしまい、誰よりも自分が苦しくなってしまうものです。

その一方で、他人と気持ちのいい関係を築くことができ、自然と人から慕われる人もいます。そんな人は、感情をため込まず、自然体でいられます。
そのため、自分自身もラクでいられるのです。
そんな人でも、人間ですから、怒りを感じないわけではありません。

この人たちの差は、いったいなんなのでしょうか?
それは、怒りを上手に扱うことができるかできないか、の違いなのです。

昨今、アンガーマネジメントという言葉を耳にしたことがある、という方も多いのではないでしょうか?
・アンガーマネジメントは聞いたことはあるけれど、どういう意味なの?
・アンガーマネジメントはどんな効果があるの?
と、疑問に思われている方も多くいらっしゃると思います。

この記事では、アンガーマネジメントの意味と効果、どのような問題や悩みが、アンガーマネジメントによって解決できるのかについて述べていきます。

アンガーマネジメントとは?

アンガーマネジメントとは、直訳通り、怒りと上手に付き合う方法のことです。
では、怒りと上手に付き合うと、どんないいことがあるのでしょうか?
それをお伝えする前に、なぜ今、アンガーマネジメントが注目を浴びているのか、お伝えしたいと思います。そのあとに、アンガーマネジメントの効果についてお伝えいたします。

アンガーマネジメントがなぜ今注目されているのか

現代社会は、昔のように叱ることで人を育てるというのはタブー視されています。学校でも昔は教師から悪いことをしたら叩かれることは日常よくありましたが、現代では体罰とみなされてしまいます。

そのような教育を受けた若者が社会に出て、上司から叱責されると、労働の意欲をなくしてしまうという話もよく聞きます。上司も人間ですから、部下に腹が立つことはあって当然です。

しかし、それを叱責という形だと若い社員には受け入れられないのです。そこで、怒りをそのまま表出するのではなく、別な表現をするアンガーマネジメントが注目されているのです。

アンガーマネジメントの効果

アンガーマネジメントとは、怒ってはいけないということではありません。
「あの時、カッとなってあんなこと言わなければ良かったな・・・」なんて後悔する経験は多くの人にあると思います。

アンガーマネジメントができるようになると、このような「怒りで後悔しないこと」が減っていきます。 では、アンガーマネジメントができるようになるためには、具体的に、どのようにすればいいのでしょうか?

怒りについて知ることでアンガーマネジメントが効率よく身につく

早速、アンガーマネジメント野実践方法を述べたいところですが、怒りにかんする知識がないまま、アンガーマネジメントを学習しても、身につきません。 まずは、「怒り」というものは、どういうものなのか、見ていきましょう。

アンガーマネジメントの「アンガー=怒り」は第二次感情である

人が怒るとき、怒りの感情が沸いてきますね。しかし、なぜ怒りの感情が沸いてくるのか、深く考えたことがあるでしょうか?

例えば、悲しみ、絶望感、自分の言いたいことが相手に伝わらない、もどかしさ、不安、困惑・・・etc。怒りの感情の裏にはこのような感情が隠れています。このような怒りの基になるネガティブな感情を「一次感情」と呼びます。

一度怒りに火がついてしまうと、この一次感情を見落としてしまいがちです。
本当は相手に一次感情を伝えるべきなのに、自分でも気が付かず、怒りだけを相手にぶつけてしまうケースがよくあります。

そんなときは、一度、時間をおいて、冷静になって、相手に本当は何を伝えたかったのか、自分の内面に注目して見つめ直してみてください。

そうすると、怒りにまかせて相手を責めることはせず、「本当は○○してほしいのだ」と、落ち着いて相手に伝えられることでしょう。
相手も怒りまかせでぶつかって来られるよりも、落ち着いた状態で本心を聞いたほうが受け入れやすいと思います。

アンガーマネジメントでは心の中にコップがあると考える

心の中に、コップがあると想像して下さい。そのコップには、先ほど述べた一次感情が入っていく場所です。悲しみ、絶望感、もどかしさ、不安、困惑といった感情をたくさん感じると、コップの中身はどんどん増していきます。

コップから溢れ出してしまうと、怒りとして表に出てしまうのです。怒りを表すことが苦手な人は、自己嫌悪というふうにして自分自身に怒りをぶつけます。

普段から「今、コップにどれくらい溜まっているかな」ということに、注意しながら生活すると、コップが自分の中に溜まっている怒りの測定器として利用することができます。

この測定器を利用すると、「今、けっこう溜まっているから、運動でもして、発散しようかな」といったように、怒りに到達する前に、怒りに対処することができます。

アンガーマネジメントでは心のコップを大きくする

コップには個人差があり、大きい人もいれば、小さい人もいます。
小さいコップだと、当然溢れ出すのが大きいコップの人よりも早いと言えますね。では、どうすればコップを大きくできるのでしょうか?

大きいコップの人は、他人に怒られたとしても、自分の人格を責められたとは感じません。「こういう考えの人もいるのだな」「自分の意見とは違うけれど、そういう意見もあるのか。参考にしよう」と考えるのです。つまり、無理に相手に同意せず、ただ理解はしようという姿勢を持っているのです。

このように考えることができると、「度量が広い人だ」と周囲の人も認めてくれるようになります。なによりも、自分が腹が立つ回数が少ないので、心穏やかに生きることができるのです。

アンガーマネジメントの実践

アンガーマネジメント1. 衝動のコントロール

アンガーマネジメントは、衝動のコントロール、思考のコントロール、行動のコントロールという3つのコントロールから成り立っています。

その1.衝動のコントロール.イライラしたら6秒待つどんなに強い怒りでも、怒りは6秒経ったら静まると言われています。ですから、6秒怒りを抑えることに専念しましょう。怒りまかせに相手を傷つけて、関係が断絶してしまうよりは、6秒耐えることのほうが有益だと思います。

そうは言っても、怒りがピークに達しているときに、6秒我慢するのは、とても長く感じられるものですよね。

そんな時は工夫して、いったんその場を離れる、水を飲む、トイレに行くなど、怒りから頭が切り替えることができる方法を試してください。きっと自分にあった切り替え方法があるはずです。

アンガーマネジメント2.思考のコントロール

怒りが生じると、出来事や他人のせいにする人が多くいます。
しかし、原因はそうではないのです。

自分が長年生きてきて培ってきた「こうあるべき」という考え・信念に反するような行為が行われたときに、人は怒りを感じるのです。

自分の信条や理想がこの「べき」には詰まっているのです。
この「べき」が破られたときに、怒りが生じます。

あなたが長年生きて培ってきた「べき」を変える必要はありません。
しかし、100人いたら、100人皆さん異なる「べき」を持っているのです。

つまり、あなたの「べき」は全ての人にとって真実ではないことがある、ということを覚えておいてください。

自分の「べき」にとらわれず、「あの人の「べき」は自分とは違うのだな」と、物事を広く考えることができると、怒りを感じることが減るでしょう。

アンガーマネジメント3.行動のコントロール

行動のコントロールの中に、「怒りを記録する」という方法があります。
どんなことに怒りを感じたのか、その場で記録しましょう。

書くものがなかったら、スマートフォンのメモ帳でも構いません。
怒りを記録すると、たくさん良い効果があります。

・書くことで怒りを鎮める
・一次感情や二次感情に気が付く
・自分の怒りの傾向や特徴が分かる
・自分の「べき」が分かるようになる

怒りの記録を継続して、分析すれば、今まで気が付かなかった自分の怒りに対する特徴に気づくことができます。

アンガーマネジメントのまとめ

アンガーマネジメントで怒りを上手に扱えるようになる

上記でお伝えしたアンガーマネジメントを実践していただけると、余計なストレスがたまらなくなります。そして、人付き合いが楽になり、自分のことも好きになれます。

しかしながら、なかなかすぐにアンガーマネジメントを身に付けるのは難しいです。失敗しても諦めることなく、何度もチャレンジしてください。そうすれば、いつの間にか身についているものですよ。